バスク地方の海と山に囲まれた土地から生まれる爽やかなワイン「チャコリ」。
その軽やかな味わいは、まるでバスクの風が通り抜けるような心地よさです。
今回は、バスク在住10数年×ワインアドバイザーの筆者が、日本にいながら旅気分を味わえるチャコリを、3つのタイプに分けてご紹介。
- 毎日飲みたい白チャコリ
- 気分が上がるロゼ・チャコリ
- こだわりの上級チャコリ
おすすめするチャコリは実際に日本やバスクで試飲したなかから厳選しました。楽天で手軽に手に入るものをお届けします!
※本記事では、チャコリの特性(若飲みタイプが中心)を考慮し、信頼できる輸入元や在庫回転のよいショップに絞ってご紹介しています。
チャコリってどんなワイン?
チャコリ(Txakoli)は、スペイン北部バスク地方の特産ワイン。
白が主流で、ほんのり微発泡。フレッシュで爽やかな味わいが特徴です。
バスクではバルでピンチョスと一緒に飲むのが定番スタイル!
📚チャコリの魅力や選び方を詳しく知りたい方はチェック → チャコリを徹底解説!完全ガイド
毎日の食卓に寄り添う、白チャコリ6選|ゲタリア・アラバ・ビスカイアから厳選
旅先のバルで飲んだ、あの軽やかな白ワイン。そんな気分を、日々の食卓でも楽しめるのが白チャコリです。和食との相性もよく、気取らず飲めるワインを集めました。
チャコリは、実は3つの原産地に分かれていて、それぞれに個性があります。今回はゲタリア・アラバ・ビスカイアの3地域すべてからセレクト。どれもチャコリらしい爽やかさは共通ですが、飲み比べてみるのもおすすめです。
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【ゲタリア産】ゲタリアコ・チャコリーナ(Gaintza ガインツァ)
バルコニーでの一杯からちょっと特別な食事まで、幅広く楽しめるチャコリ。カンタブリア海の潮風を思わせる爽快な酸味とミネラル感が魅力です。この味わいで2千円前後は見逃せません。
【ゲタリア産】ゲタリアコ・チャコリーナ(Zudugarai スドゥガライ)
初めてのチャコリにおすすめ!冷やして飲めば、まるでバスクの海辺にいるような気分に。柑橘やハーブの香りが心地よく、キリッとした飲み口が魅力です。夕暮れのテラスや屋外ランチにもぴったり。
【ゲタリア産】ゲタリアコ・チャコリーナ(Hiruzta イルスタ)
爽やかな香りと味わいに、ほんのりとした苦味が心地よいアクセント。全体のバランスが美しく、数多くの星付きレストランに名を連ねるのも納得。洗練された1本です。
【ゲタリア産】ゲタリアコ・チャコリーナ(Talai Berri タライ・ベリ)
地域のパイオニアとして、そして持続可能なブドウ栽培の先駆者としても知られる生産者。大切に育てられたブドウから生まれたチャコリは、飲み心地と飲みごたえのバランスが絶妙です。ぜひ一度味わってみてください。
【アラバ産】アラバコ・チャコリーナ ピル・ピル(Astobiza アストビサ)
アラバ地方発で品質の高さが評判の生産者。日本限定の「ピル・ピル」は、チャコリの魅力がぎゅっと詰まった、飲みやすい1本。可愛らしいデザインと、飲み心地の良さが今夜の一杯にぴったりです。
【ビスカイア産】ビスカイコ・チャコリーナ(Itsas Mendi イチャス・メンディ)
現地でも高品質チャコリの造り手として知られるイチャス・メンディ。ゲタリア産と比べて、ビスカイア産らしくやや厚みのあるボディが特徴で、チャコリらしい爽やかさやミネラル感とのバランスが絶妙です。発泡はごくわずかで、白ワインとしてじっくり楽しめる一本。
【気分を上げたい日に】ロゼチャコリ
「え、チャコリってロゼもあるの?!」
そんな驚きとワクワクをくれるのが、ロゼチャコリ。
ほんのりピンクがかったグラスを手にするだけで、気分が少し特別になります。
「家で飲むならやっぱりロゼ」と語る生産者もいるほど、旨みがぎゅっと詰まった味わいは、白とも赤とも違う魅力。
いつものごはんやおつまみを、ちょっと格上げしてくれる1本をご紹介します。
【ゲタリア産】ゲタリアコ・チャコリーナ ロゼ(Hika イカ)
スタイリッシュなボトルに、思わず手が伸びる。きれいなサクラ色のロゼは、見た目の美しさだけでなく味わいも洗練されています。果実味とキリッとした酸のバランスがよく、女子会や手土産にもぴったりの1本です。
【バスク通に贈る】特別なチャコリ2選|熟成&選ばれた畑の奥深い味わい
チャコリといえば、爽やかで軽やか。気軽に楽しめる白ワインというイメージがあるかもしれません。
けれど近年では、そんなチャコリのイメージを覆すような、上質で奥深いスタイルが続々と登場しています。
熟成やブドウ畑の選別、生産者が自信をもって送り出す特別なキュヴェ。
普段の1本よりは少し背伸びした価格帯ですが、高級ワインのように手の届かない存在ではありません。
本物志向のワインラバーにもきっと響く、こだわりのチャコリたち。
特別な日の1本に。自分へのご褒美に。いつもの白ワインとはひと味違う1本を、ぜひ試してみてください。
【ビスカイア産】チャコリ・ブランコ G22 (Gorka Izagirre ゴルカ・イサギレ)
ミシュラン三つ星レストラン「アスルメンディ」の敷地内にあるワイナリーが手がける、ワンランク上のチャコリ。
厳選されたブドウと発酵後、澱(おり)とともに熟成させるシュール・リーにより、ベーシックなチャコリでは味わえない厚みと複雑味が引き出されています。同生産者のスタンダードチャコリが3,000円前後であることを考えると、価格以上の満足感が得られる1本です。
【ゲタリア産】ゲタリアコ・チャコリーナ ベレシア(Hiruzta イルスタ)
ベーシックなチャコリも素晴らしいイルスタですが、ぜひ試してほしいのがこの上級キュヴェ「ベレシア(=スペシャル)」。スペイン屈指のワインガイド『ギア・ペニン(Guía Peñín)』で91点を獲得するなど、その実力は折り紙付きです。複雑なアロマと余韻の長い味わいは、近代的で洗練されたチャコリの魅力を存分に伝えてくれます。
チャコリがもっと美味しくなる、バスク流おつまみ&注ぎ方
せっかくなら、チャコリを現地のスタイルで楽しんでみませんか?
現地のイベントやレストランでも見られる、2つのちょっとした工夫をご紹介します。
注ぎ方にこだわる
チャコリは「高い位置から注ぐ」のが現地流。これを**エスカンシアール(escanciar)**と言い、ワインに空気を含ませて、香りや味わいを引き立てます。はじめはちょっと難しいですが、試してみると味わいの変化に驚きますよ。
※泡のないタイプや上級チャコリには不要。静かに注いで、ワイン本来の味を楽しみましょう。
ピンチョスを用意する
トーストしたバゲットに、オリーブやアンチョビ、チーズをのせるだけで、簡単ピンチョスの完成。チャコリとの相性は抜群です。

本場の気分を楽しめる食材は、通販でも手に入ります。
カンタブリア産 バスクの絶品アンチョビ
旬のカタクチイワシ(アンチョビ)を塩漬け&熟成した、カンタブリア産の逸品。パンにのせるだけで、バスクバル風のおつまみに。
【種なし】グリーンオリーブの瓶詰
スペイン産のグリーンオリーブは、ピンチョスにもぴったり。アンチョビやトマトと合わせるもよし、そのままつまむもよし。種なしなので、手軽に楽しめます。
バスクの羊乳チーズ イディアサバル
バスク地方を代表する羊乳チーズ「イディアサバル」。牛乳チーズにはないコクと風味が特徴です。カットして少し添えるだけで、ぐっと本格的な味わいに。
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現地イベントやレストランでは、チャコリをこのスタイルで楽しみました👇
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まとめ:おうちで味わうバスクの風
チャコリは、単なるワインではなく、「バスク文化を届けてくれるそよ風」のようなもの。
軽やかで、美味しくて、そしてちょっと特別なワインです。
あなたもぜひ、今日の食卓に“バスクの風”を吹き込んでみてください。
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