「イディアサバルに合うワインを知りたい」「現地ではどんなワインと合わせてるの?」
イディアサバルはしっかりした味わいのチーズですが、なんとなく重めのワインを合わせるとせっかくのチーズの味わいが消えてしまいます。
この記事では、イディアサバル産地に10年以上暮らすワインアドバイザーの筆者が、イディアサバルの特徴とともに、現地で実際に楽しまれているワインとのペアリングを紹介します。
読み終えるころには、イディアサバルに合うワインと、バスク流の楽しみ方がわかります。チーズとワインのペアリングを勉強したい方にも役立つ内容なので、ぜひ最後までお読みください。
ワインとチーズのペアリング | 基本の合わせ方

ワインとフードのペアリングでは、重さ(味の強さ)を合わせるテクニックがあります。ワインとチーズも味の強さが同程度なら、どちらかの味わいだけが勝ることなく、ワインとチーズの組み合わせを楽しめます。
ただ、ワインやチーズの味の強さを知るには、多くのワインやチーズを試し、比べる必要があるので、初心者にはややハードルが高いです。
そこで今回は、産地が同じものを合わせるペアリングのテクニックから、イディアサバルに合うワインを探っていきます。同じ土地で生まれた食材とワインは、長い食文化のなかで育まれた「間違いのない組み合わせ」なので、安心して楽しめます。
イディアサバルの特徴とワイン選び

イディアサバルは羊乳ならではの旨みをしっかり感じられるチーズですが、決して強いタイプのチーズではありません。香りや塩味が突出することなく、後味は比較的軽やかで食べ疲れしにくいです。コクはあるものの重すぎず、パクパクと食べ進められます。
イディアサバルとペアリングされる地元バスク産のワインの特徴は、次の3点です。
- ミルクの旨みと調和する「酸」
- チーズの油分を洗い流す「キレ」
- 繊細な旨みをかき消さない「軽やかさ」
ワインの種類は赤・白・ロゼと様々ですが、いずれも重厚なワインではなく日常的に食事と飲まれている軽やかなワインが選ばれています。
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バスクで定番のイディアサバル × ワインのペアリング

イディアサバルにワインを合わせる際に大切なのは、チーズのコクに負けないことと繊細な旨みを引き立てることです。現地では、イディアサバルには主に次のワインを合わせます。
- スッキリ辛口の白「チャコリ(Txakoli)」
- フレッシュで果実味のある若い赤「リオハ・アラベサ」「ナバラ(ナバーラ)」
- コクと酸味のあるロゼ「ナバラ(ナバーラ)ロゼ」
上記のワインはイディアサバルのコクや塩味を引き立てながら、後味をすっきりとまとめてくれます。
チャコリ(Txakoli)× イディアサバル

イディアサバルとの組み合わせでポピュラーなのが、バスクの微発泡ワイン「チャコリ」です。チャコリはほとんどが白ワインで、アルコール度数が低くキリッとした酸味とわずかな発泡感が特徴です。チャコリの酸と泡がイディアサバルの油分をスッキリとさせてくれます。
特に若くフレッシュなイディアサバルや、スモークしていないタイプとの相性は抜群です。一口チーズをかじりチャコリを流し込むと口の中がリセットされ、次の一口が進みます。
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若飲みタイプの赤ワイン × イディアサバル

イディアサバルには果実味のある若い赤ワインもよく合います。バスクでは、タンニンが穏やかで重すぎないリオハ・アラベサやナバラ(ナバーラ)の若飲みタイプの赤ワインが代表的です。
赤ワインの果実味はイディアサバルの塩味やミルクのコクをマイルドにしてくれます。スモークタイプのイディアサバルと合わせれば、燻香と赤ワインの心地よい香りを楽しめます。
ロゼワイン × イディアサバル

ロゼワインとの組み合わせも人気です。ナバラ(ナバーラ)州はスペイン有数のロゼの産地で、食事に合わせやすい辛口スタイルが多く造られています。
▶ナバラ(ナバーラ)ワイン完全ガイド
白ワインほど軽すぎず、赤ワインほど重くないロゼは、イディアサバルのコクと塩味をバランスよく受け止めてくれます。チャコリのロゼと合わせるのもおすすめです。
ワイン産地によって馴染みのワインが変わります。バスク州では白ワイン「チャコリ」、ナバラ(ナバーラ)州周辺では赤ワインとイディアサバルを楽しむ人が多いです。自分の好みに合う組み合わせを探してみてください。
【注意】イディアサバルと合わないワイン

イディアサバルの産地バスク地方でペアリングされるワインは普段使いの軽やかなワインです。次のようなワインはイディアサバルよりワインの味わいが全面に出てしまいます。
- 樽香が強い白ワイン
- 濃厚な赤ワイン
- 甘口ワイン
強い樽香や、渋み、高いアルコール、甘さが強く感じられるワインは、イディアサバルの繊細な旨みや香りを覆ってしまいます。ワイン選びは好みですが、イディアサバルの軽やかさを楽しむなら、チーズの味わいを消さない個性の強すぎないワインを選びましょう。
日本で手に入る!イディアサバルに合うワイン

日本で手に入るバスクワインの種類は限られていますが、似た特徴を持つワインを選べばイディアサバルを十分に楽しめます。
■辛口白ワイン
チャコリの代わりはフレッシュな辛口白ワインがおすすめです。樽香が強すぎないものを選びましょう。
- 樽香が控えめなシャルドネ
- ソーヴィニヨン・ブラン
酸や爽やかなアロマとイディアサバルを合わせれば、より食べやすいです。熟成が進んだイディアサバルには辛口のリースリングやシュナン・ブランもおすすめです。
■若いミディアムタイプの赤ワイン
ガルナッチャ(グルナッシュ)やピノ・ノワール、ガメイなど、果実味があり渋みが少ない赤ワインを選びます。軽い赤ワインは、ほどよい果実味と酸味がチーズのコクを受け止めてくれ、後味も軽やかです。
■ロゼワイン
ロゼなら、以下のような辛口スタイルが合わせやすいです。
- プロヴァンスのロゼ
- ガルナッチャ(グルナッシュ)主体のロゼ
軽やかで飲みやすく、イディアサバルの塩味とも合います。
■シードラ(シードル=りんご酒)
イディアサバルはしっかりした酸があるバスク産りんご酒、シードラとの相性も抜群です。バスクでシードラは「りんごのワイン」と呼ばれ、ワインと同様身近な飲み物として親しまれてきました。シードラはワインよりアルコールが低く、軽い一杯にもおすすめです。
まとめ:イディアサバルとワインは「気軽」に楽しもう

イディアサバルは、羊乳ならではのコクがありながら後味が軽く、食べやすいバスク地方の伝統チーズです。現地流の合わせすいの特徴は次の通りです。
- チーズの旨みを引き立てる酸
- 油分を流すキレ
- 食事に寄り添う軽やかさ
このバランスを大切にしながら、白・ロゼ・軽めの赤ワイン、そしてシードラと一緒に楽しまれています。イディアサバルは特別な食事の席だけでなく、パンと一緒につまんだり、友人が集まったときに大皿に盛ったりと、日常に溶け込んだチーズです。
「ちゃんとワインを合わさなきゃ」と気負わず、普段使いの1本を開け、イディアサバルの素朴で奥深い味わいを体験してみてください。



