イディアサバルチーズ完全ガイド|味わい・作り方・日本での楽しみ方

「ナッツの香ばしさに、ほんのりスモーキーな余韻。ひと口で広がるバスクの風景」

スペイン北部にあるバスクの伝統がぎゅっと詰まったチーズ、イディアサバル(Idiazabal)。羊のミルクから作られるこのセミハードタイプのチーズは、世界中のチーズファンを魅了し続けています。素朴で奥深い味わいは、ナッツや干し草のような風味と、スモークタイプならではの香りが特徴。
日本ではまだ知名度が高いとは言えませんが、愛好家の間では密かな人気を集めています。

この記事では、ほぼ毎週このチーズを食べているバスク在住 10年以上 × ワインアドバイザーの管理人が、イディアサバルチーズの魅力や食べ方、購入方法までをしっかりご紹介。現地の情報や体験も交えながら、あなたの「次に食べたいチーズリスト」に加えたくなる内容をお届けします!

イディアサバルチーズとは?バスク伝統の羊乳チーズを徹底解説

イディアサバルチーズ(Idiazabal)は、スペイン北部のバスク地方とナバラ州の山あいで生まれた、羊乳から作られる伝統的なチーズです。使われるのは、「ラチャ種」や「カランサナ種」といった、この地域にしかいない希少な羊のミルク。コクがありながらもクセが強すぎず、バランスのとれた風味が特徴です。

このチーズの歴史は古く、中世にはすでに作られていたとも言われています。1987年には、 「この地域で、伝統的な方法で作られた本物のチーズですよ」という証明である、スペインの**原産地呼称制度 (D.O.)**に認定され、今ではヨーロッパの美食遺産のひとつとして広く知られる存在に。

イディアサバルが特別なのは、その品質へのこだわり。

  • 使用するのは未殺菌の羊乳だけ。
  • 熟成期間は最低2ヶ月以上
  • 脂肪分も45%以上が必要。

さらに、仕上がったチーズは、専門のテイスターによる**官能検査(味や香りなどの試食審査)**を受けます。厳しい基準をクリアすると、赤い認証ラベルと、皮に番号付きのカゼインプレートが刻印され、市場に出回ります。

年間1000トン以上が作られるイディアサバルは、バスクの人々にとってはソウルフードのような存在。羊のミルク独特の旨味と食べやすさから、わがやでは「パンにはさんでサンドイッチ」が子どもたちの定番おやつです。

イディアサバルチーズのサンドイッチ
イディアサバルチーズは子どもたち用に少し薄めにカット。バスクの伝統食材、トウモロコシ粉のパンと。

原材料と産地:バスクの自然が育む、イディアサバルの風味

イディアサバルチーズは、バスクの山岳地帯で営まれてきた羊飼いの生活と深く結びついています。この地域では、ラチャ種やカランサナ種の羊が何世紀にもわたって飼育されてきました。山での放牧により、ミルクの風味がとても濃厚なのが特徴です。

イディアサバルチーズに使われるラチャ種の羊
出典:公式サイト(https://www.quesoidiazabal.eus) ラチャ種の羊。

🐑【ちょっと寄り道】バスクで羊番をした日

わたしが暮らしているバスクの山あいでは、今でも多くの羊が放牧され、チーズ工房のほか、趣味でチーズを作る人も多いです。バスクに移住して間もない頃、チーズを作る知人の頼みでラチャ種の羊番を手伝ったことがありました。
ラチャはとても小柄で、1頭あたりのミルク量も少なくとても希少。しかし、そのときはまだ何も知らず、草を食べずに固くなったパンに夢中な羊たちの姿に、ちょっとしたカルチャーショックを受けました。(チーズを生産・販売するため多くの羊を飼っている場合は、ふつうは草と餌を食べます。)

イディアサバルチーズに使われるラチャ種の羊が餌を食べる様子
出典:公式サイト(https://www.quesoidiazabal.eus) 羊たちが餌を食べる様子。

さて、チーズの作り方ですが、ミルクをあたためてから、「レンネット」という酵素を加えて、ゆっくり固めていきます。イディアサバルチーズに使われるレンネットは、羊の胃を乾かして作るもので、胃の中にある天然の酵素がミルクをチーズのもとになるかたまりに変えてくれるんです。ちょっとびっくりするような材料ですが、昔の人たちは自然の力をうまく使って、おいしいチーズを作っていたんですね。

昔はチーズは山小屋で作られ、チーズを暖炉の上で乾かしていると、薪の煙でほんのり燻されることもありました。これが、いわゆるスモークタイプのイディアサバルの原型だと言われています。でも実は、現地では、スモークしていないタイプのほうが一般的
日本ではスモークタイプが流通しているので、それがイディアサバルの「定番」と思っている人も多いかもしれませんが、現地でよく食べられているのは、ミルクの風味をそのまま活かしたプレーンなタイプ

どちらにも魅力がありますが、もし現地にお越しの際は、プレーンタイプもぜひ試してみてください。バスクの素朴な山の暮らしが感じられるかもしれません。

イディアサバルチーズのホールやカットされたものが店先に並ぶ様子
左側がプレーンタイプ。真ん中と右側がスモークタイプで、外皮の色が濃い。写真は今年初のチーズ祭りで1位に輝いた「Baztarrika」のチーズ。

イディアサバルの町とチーズ作り

「イディアサバル(Idiazabal)」とは、バスク地方ギプスコア県にある実在の町の名前です。この地は緑豊かで冷しく、羊の飼育やチーズづくりに最適な条件がそろっています。

町の名前がそのままチーズ名になったのは、ここが伝統的なチーズの産地であり、文化の中心地でもあるため。現在でもイディアサバル村では、毎年その年にできたチーズのお披露目として「イディアサバルチーズ祭り(Gazta Azoka)」が開かれ、多くの職人とチーズファンが集まります。

ちなみに、私も先日この祭りに足を運んできました!現地の熱気やチーズ愛にあふれた雰囲気は圧巻!その様子はこちらの記事で詳しく紹介していますので、よければあわせてご覧ください。

D.O.P.認証と品質保護の歴史

イディアサバルチーズは、1987年に原産地呼称制度 (D.O.) に登録されました。これは「この土地で、伝統的な方法で作られたチーズだけが、イディアサバルを名乗れる」という厳格なルールです。

この認証制度が導入された背景には、類似品や工業的な模倣品から、本物を守るという意図がありました。登録以来、製造方法・使用するミルク・熟成期間・脂肪分・官能検査など、すべてが厳しく規定されています。

現在はEUの制度であるD.O.P.(原産地呼称保護)として保護されています。

この制度によって、イディアサバルチーズは世界でも数少ない、明確な地理的・文化的アイデンティティを持つチーズとして高く評価されるようになりました。

どう作られる?イディアサバルチーズの伝統的製法

イディアサバルチーズの製造過程は、何世代にもわたって受け継がれてきた伝統的な手法に基づいています。


※作業工程の写真はすべて公式サイト(https://www.quesoidiazabal.eus) のビデオより使用しています。

ミルクを温める

まず、イディアサバルチーズに使用される羊乳は未殺菌(生乳)です。これが、味に豊かな風味を与える大きな要因です。
絞られた羊のミルクは冷却後軽く温められ (30度前後)、その後の加工を行います。これは、ミルクの自然な酵素や微生物を活かし、チーズに深い味わいと風味をもたらすための重要なステップです。

ポイント: 未殺菌乳は、風味の元となる成分が豊富で、長い熟成を経てさらに風味が引き立ちます。

イディアサバルチーズの製造プロセスで羊乳を温めているところ

凝固

温めた羊乳に、羊の胃を乾燥させて作った天然のレンネットを刻んで加え、凝固させます。このとき、ミルクが固まることで「カード」と呼ばれる固まりができます。

イディアサバルチーズの製造に使うレンネットのアップ
レンネットを細かく刻んでいる様子。

カードのカット

ミルクが固まった「カード」を砕きます。この工程で水分が抜け、チーズの食感が決まります。固形分と液体のホエイ(乳清)を分け、ホエイを取り除きます。

イディアサバルチーズの製造過程で、羊乳が固まったカードをカット後攪拌する様子
最終的にカードは米粒大ほどの大きさになる。

圧搾

カード(固まり)を手で軽くまとめたあと、型に入れて成形します。数時間後、布で包み、専用の圧搾機でじっくりと水分を抜いていきます。このとき使う布は、チーズの形を保つだけでなく、外側にしっかりとした皮(外皮)を作るのにもひと役買っています。こうして、イディアサバルらしいかたく引き締まったハードな食感が生まれるのです。

イディアサバルチーズの製造過程で、型詰めをしている様子
カードをカットし、布に包んで圧搾する伝統的な製法。

塩漬け

プレスされたチーズは、塩水に浸けて塩味をなじませます。この工程によって、保存性が高まり、チーズ全体にまろやかなコクと奥行きが加わります。また、塩はチーズの中で酵素の働きを調整し、熟成をゆっくりと導く大切な役割も担っています。

熟成

燻製タイプはこの後、薪の煙で軽くスモークされます。
一方、非燻製タイプはそのまま熟成室へ移され、最低でも2ヶ月(60日間)熟成されます。熟成中は、2〜3日ごとにチーズを裏返す作業が必要です。これにより、外皮が均一に仕上がり、カビの侵入を防ぎます。
製造過程では保存料や着色料は一切使われておらず、自然な方法で丁寧に作られています。

イディアサバルチーズを熟成室で熟成させている様子
熟成室にずらりと並ぶイディアサバルチーズ。
イディアサバルチーズの熟成過程でチーズをひっくり返している様子
手作業でチーズをひっくり返す。

完成

完成したチーズは、1〜3キロほどのサイズで、しっかりとした硬さと豊かな風味をもつ逸品になります。

イディアサバルチーズの作り手azkarraのチーズのアップ
「Azkarra」という作り手。冒頭の公式サイトビデオにて、愛情たっぷりに羊とチーズに向き合っている様子を見ることができる。

味の特徴と食感:イディアサバルチーズの魅力とは?

イディアサバルチーズは、その素朴さと奥深さが魅力。ナチュラルチーズらしい滋味深い風味と、羊乳ならではのコクが特徴です。

香り・風味の特徴

ひと口食べると広がるのは、ナッツのような香ばしさと、干し草や木の皮のような自然の香り。これは、放牧された羊の乳から生まれる自然なアロマです。熟成が進むにつれ、旨味が濃くなり、余韻もより長く、力強くなっていきます。

イディアサバルチーズに使われる羊の移動の様子
出典:公式サイト(https://www.quesoidiazabal.eus) 羊の放牧の様子。

スモークタイプの味わい

燻製タイプは、軽く燻された香りが加わり、より複雑で奥行きのある風味になります。木の実のような香ばしさに加え、かすかなスモーキーさが後味にふわっと広がるのが特徴です。

※実際に現地のチーズ祭りに参加し、今年の出来立てチーズをたくさん試食してきました!味わいの詳細はこちらから

テクスチャ(舌触り・硬さ)

イディアサバルはセミハードタイプのチーズで、切るときに「コリッ」とした心地よい抵抗感があります。口に入れると、なめらかに崩れ、ほんのりと油分がにじむような舌ざわりが魅力です。

特に熟成が浅いものはより柔らかく、熟成が進むにつれてホロホロと崩れるような質感に変化します。チーズの中心部ほどしっとりと、外皮に近づくほどしっかりとした歯ごたえが楽しめます。

イディアサバルチーズのカットした断面のアップ
出典:公式サイト(https://www.quesoidiazabal.eus) イディアサバルチーズをカットした断面。

熟成期間と味わいへの影響(2〜6ヶ月)

イディアサバルチーズは、最低2ヶ月以上の熟成期間を経て販売されますが、熟成が長くなると、風味や食感が変化します。熟成が進むと、チーズは徐々に硬くなり、香りが豊かで、味に深みが増していきます

  • 2〜4ヶ月熟成:フレッシュでミルキーな風味が特徴。初心者にも食べやすい、優しい味わいです。
  • 4〜6ヶ月熟成:しっかりとした風味、後味が少しスパイシーで複雑味のある味わいに。チーズ好きも満足できる深い味わいが楽しめます。

どちらの熟成期間も、それぞれの良さがありますが、長期間熟成されたチーズは、そのコクと複雑さを楽しむことができるため、チーズ愛好家には特におすすめです

周りでは、昨年のものを寝かしておき、特別な機会に楽しむ人も多いです。
ぜひ、熟成による味わいの変化も楽しんでみてください!

イディアサバルチーズの楽しみ方|おすすめワイン・おつまみ・料理例

イディアサバルチーズは、その豊かなコクと羊乳の個性、そして時にほのかに漂う燻香が魅力。だからこそ、合わせる飲み物や食べ方次第で、表情がぐっと変わるチーズです。ワイン好きも、食いしん坊も楽しめる一皿を演出できます。

ワインとの相性:バスクの風土と響き合うマリアージュ

イディアサバルにまずおすすめしたいのは、地元バスクで愛される白ワイン「チャコリ(Txakoli)。軽やかでやや酸味のあるこのワインは、チーズの濃厚さを軽やかにしてくれる名脇役です。現地のチーズ祭りでも、チャコリのブースは大盛況でした。

他にも、以下のようなワインと好相性です:

  • ソーヴィニヨン・ブラン:若々しく香り豊かで、スモークタイプの香ばしさを引き立てます。
  • ガルナッチャやメルローなどの若い赤ワイン:穏やかなタンニンと酸味が、チーズのほどよい強さを受け止めてくれます。
  • 辛口の樽熟白ワインやドライシェリー:樽熟成の深みと複雑さが、イディアサバルのコクと響き合い、印象的な味わいに。

また、ワインがなくても、バスクシードル(リンゴ酒)との相性も抜群!イディアサバルのチーズ祭りでは、地元のクラフトビールのお店もあり、チーズをつまみにビールを楽しむ人もたくさんいました。
お好みの組み合わせを見つけてみてくださいね。

ハチミツやナッツと合わせて、デザート風に

ナッツ類との組み合わせや、「塩気のあるチーズに甘みを加える」というのは、実は王道の食べ方。

  • くるみやアーモンドを添えれば、香ばしさと食感が加わり、より奥行きのある味わいに。
  • 少量のハチミツやリンゴのジャムをトッピングすれば、まるでデザート。羊乳のやさしい甘さが引き立ちます。
    現地バスクのサイダーハウスでは、メンブリーリョというマルメロのジャム・ペーストと合わせるのが定番デザート。
zapiain with cheese
イディアサバルチーズ、メンブリーリョ、くるみとバスクシードル。伝統に裏打ちされた、間違いのない組み合わせ。

サンドイッチ、ピンチョス、グリル…アレンジ無限!

現地では、スライスしたイディアサバルをバゲットとともにつまむのが定番ですが、いろいろとアレンジするのも楽しみが広がります。

  • バゲットやクラッカーにのせてピンチョス風に
  • グリルして香ばしさアップ!ホットサンドの具にも◎
  • 野菜や果物と合わせたサラダのトッピングにも
  • 温めたジャガイモやトルティージャと一緒に

しっかりした味わいなので、料理に加えても存在感があり、食卓のアクセントになります

いろいろとお伝えしましたが、わたしのおすすめは、シンプルに厚切りで食べること。これにチャコリやシードルがあれば、まさに至福のひとときを過ごせます。

イディアサバルチーズ祭りでチーズのピンチョスが並ぶ店先
これくらいの厚さにカットすると、チーズの味わいがしっかり感じられる。

購入と選び方

イディアサバルチーズを実際に食べてみたい!と思った方のために、購入先、本物の見分け方から保存のコツまで、知っておきたいポイントをまとめました。

日本で買える!イディアサバルチーズおすすめ通販ショップ3選

日本国内でも、輸入チーズ専門店や輸入品を多く扱うスーパー(成城石井など)、または**オンラインショップ(楽天、Amazon、チーズ専門EC)**でも購入可能です。

以下におすすめのオンラインショップをまとめました。

1. Fermier(フェルミエ)

老舗のチーズ専門店で、イディアサバルの取り扱いもあり。丁寧な商品解説と冷蔵配送で安心して購入できます。ギフト包装対応・セールもあり。

🔗 Fermier公式サイトへ

2. il gusto Cicci (イルグストチッチ)

生ハムやサラミ、チーズなどのスペイン・イタリア食材を扱うオンラインショップ。イディアサバルを100g単位で購入可能。ポイント付与や送料無料サービスも魅力。

🔗 イルグストチッチ 公式サイトへ

3. スペインクラブ オンラインショップ

スペイン直輸入の本格派食材店。1kgホールで販売されており、パーティーや贈答にもおすすめ。ワインや他のスペイン食材も豊富。

🔗 スペインクラブ 公式サイトへ

4.【楽天市場】ナチュラルチーズ通販フロマージュ

楽天で買い物される方はこちらがおすすめ。イディアサバルの大きさは100g、300g、500gから選べます。

🔗 【楽天市場】フロマージュで「イディアサバルチーズ」を探す

  • 少量で試すなら → Fermier、 il gusto Cicci、または 【楽天市場】フロマージュ
  • まとめ買いやギフトに → スペインクラブ
  • ポイントや手軽さ重視 → 【楽天市場】フロマージュ

各ショップのレビューやキャンペーンを活用して、ぜひ本場のイディアサバルチーズをお楽しみください。

本物かどうかを見分けるには? D.O.P.マークと外観に注目!

本物のイディアサバルチーズには、原産地呼称保護(D.O.P.)に基づく3つの認証マークがあります。これらは品質と産地の証です。

  • 🟥 赤い帯のD.O.P.ロゴラベル(番号付き)
     原産地と品質を保証する公式ラベル。番号で管理され、偽造防止のホログラム入りです。
  • 🧬 カゼインプレート
     チーズの皮に刻印された番号付きプレートで、製造元や流通履歴を確認できます。
  • 💡 ホログラム入りラベル
     一つ一つのチーズに付く番号入りのラベルで、本物だけに付けられています。
イディアサバルチーズのD.O.P.認証を示すホログラムのアップ
D.O.P.認証を示すホログラムは品質と真贋の証。

これらの認証表示があるかどうかで、本物かどうかを見分けることができます

保存方法とカットの仕方:風味を長持ちさせるには?

保存の基本

保存は、冷蔵庫の野菜室など10℃前後のやや低温がおすすめ。夏場は特に暑さで表面に油分がにじみやすくなり、風味が損なわれやすいですので、涼しい場所で保管してください。

切ったあとは、できればパラフィン紙 (ワックスペーパー)やクッキングシートで包んで保存すると、呼吸を妨げず、風味も保ちやすいですが、現地では、もっと手軽にラップでピッタリと包んで、タッパーに入れ冷蔵保存しています。
いずれにせよ、開封後は風味が落ちるので、早めに食べきりましょう。

食べる前には、室温に30分ほど置いてからがベスト。香りが開き、味わいの立体感がぐっと増しますよ。

カットのポイント

  • 皮(表皮)は基本的に食べませんが、スモーク香が移っているため好んで食べる人もいます。
  • カットは中心から放射状にくさび形に切ると、風味の違いを均等に楽しめます。

まとめ:バスクの恵みを、日本の食卓へ

イディアサバルチーズは、バスク地方の豊かな自然と伝統が育んだ、奥深い味わいを持つ羊乳チーズです。
ナッツや干し草のような香り、スモーキーな風味、しっかりとした食感──それらはすべて、この地域の気候や風土、そして作り手たちの丁寧な仕事の賜物です。

日本ではまだあまり知られていませんが、ワインとの相性も抜群で、シンプルにスライスして味わうだけで、その魅力を十分に楽しめます。
気になった方は、記事内でご紹介したオンラインショップをぜひチェックしてみてください。少量から試せるものもあり、自宅で気軽に“バスクの味”を体験できます。

バスク在住である私自身も、日々の暮らしの中でチーズ作りに関わる人々や放牧される羊たちと触れ合いながら、この土地ならではの食文化に魅了され続けています。
そんな現地の空気感を、少しでも記事を通して感じていただけたなら幸いです。

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