バスクの祭りに欠かせない「タロ」
バスクの祭りにはかかせない屋台フード「タロ」。
焼きたてのタロをほおばると、香ばしいとうもろこしの風味と、ジュワッと溶け出すチストラ(バスクの伝統的なソーセージ)の旨味がたまりません。
サン・セバスティアンのサント・トマス祭では、何十軒ものタロ屋台が立ち並び、人気店には長蛇の列ができるほど。大人も子どもも大好きな、バスクのソウルフードです。
先日、伝統タロ継承会の友人カップルから作り方を教わる機会がありました。今回は、タロの歴史、作り方のコツ、本場の味を再現するポイントをたっぷりご紹介します!

タロの歴史:バスクの知恵がつまった料理
バスク地方は山がちで、雨が多く多湿な気候。かつては小麦の栽培がむずかしい地域でした。そのため、とうもろこし粉を使ったタロが生まれ、パンの代わりとして庶民の食卓に登場するようになったのです。
昔のタロの楽しみ方
- 好きな具を挟んでサンドイッチ風に
- ぱりぱりに焼いたタロを牛乳に浸しておやつに
現在では、祭りやイベントで伝統食として販売され、定番メニューは以下の通りです。
🔥 タロの人気具材
- チストラ(バスクソーセージ)
- ベーコン
- バスク産の羊乳チーズ
- チョコレート(板チョコやペーストをお好みで)

タロの材料と道具:シンプルで手軽!
タロを作るのに必要な材料はたった3つだけ。
材料(15~20枚)
✅ とうもろこし粉(できれば有機栽培、粒子が細かいもの)1キロ
✅ ぬるま湯コップ一杯
✅ 塩ひとつまみ
🥓 具材(お好みで)
- チストラ(精肉店の自家製チストラは、脂が少なく肉の味がしっかりして絶品!)
- ベーコン
- 羊乳チーズ
- チョコレート(板チョコやペーストをお好みで)
※記事の最後に材料のリンクを載せています。自宅で作る際の参考にどうぞ。
🍳 道具
- こねる用のボウル
- まな板(木製だとくっつきにくい)
- 鉄板またはフライパン
本場の味を再現!タロを作ってみよう
① 生地をこねる
- 材料を準備する
とうもろこし粉を 生地用750g、打ち粉・調整用250g に分ける。 - 粉を整える
とうもろこし粉に ひとつまみの塩 を加え、山形に盛る。中央にくぼみを作る。

3.こねる
くぼみに ぬるま湯を少しずつ加えながら よくこねる。柔らかすぎると伸ばすときにくっつくため、適宜 調整用の粉 を加えて調整する。
4.仕上げる
生地がまとまってきたら ボウルに移し、耳たぶより少し固めの状態になるまで練る。
② 生地を伸ばす
まな板に打ち粉をし、直径10~15cm、厚さ3mmくらいになるよう、丸くうすく伸ばす。くっつかないよう、適宜打ち粉をしながら伸ばしていく。
③ 焼く
- 成形した生地はくっつかないよう、すぐに熱した鉄板で焼く。
- 中心部がぷくぷく膨らんで、焼き色がついたらOK。
④ 具材を挟んで完成!
- 焼きあがったタロにチストラやチーズを挟む。
- アツアツのうちに召し上がれ!
ソシエダでの体験:食がつなぐコミュニティ
今回、私たちはバスクの会員制の共同キッチン&食堂「ソシエダ」でタロを作る機会に恵まれました。ソシエダは、友人や家族が集い、料理を楽しみながら交流を深める場です。
タロを焼き始めると、周りの人たちが「おー、タロだ!」「味見させて!」と次々に声をかけてきます。本当に、バスクの人々にとって馴染み深い食べ物なのだと実感。
友人たちの指導のおかげで、外はパリパリ、中はしっとりの理想的なタロが完成。子どもたちが次々と手を伸ばし、あっという間になくなりました。お土産用にとっておこうと思ったのに、結局みんなのお腹の中へ……。
自宅でも楽しめるバスクの味
「タロはもともとパンの代わりだから、具は自由に楽しんで!」と友人カップル。巻きずしのようにお好みの具を入れ、バスクワインとともにタロパーティーを開いてみるのも、一味ちがって楽しいかもしれませんね。
【自宅でタロ作りを楽しむためのおすすめ食材】
- とうもろこし粉
- バスク羊乳チーズ「イディアサバル」
