バスク地方の美食の町・ゲタリア。観光やレストランに注目が集まりがちですが、実はローカルな“バル文化”を体験するのにもぴったりな町です。
「食事は軽くすませたい」「地元の人に混じってバルを巡りたい」「チャコリとピンチョスを楽しみたい」
——そんな方に向けて、バスク在住の筆者が、週末ゲタリアで体験した“失敗しないバル巡りルート”とおすすめ店4軒をご紹介します。
この記事で紹介していること:
- ゲタリアでバル巡りを楽しめるおすすめ時間帯とルート
- 人気バルのリアルな雰囲気・価格帯・おすすめメニュー
- 初めてでも安心!バル巡りで失敗しないコツ
この記事を読めば、ゲタリアのバルの雰囲気や価格帯、どんなピンチョスがあるかが分かり、安心してバル巡りを楽しめます。
👉 バルの定番メニューもあわせてチェック!(※一部、近日公開予定)
・バスク旅行のバル巡りに!失敗しない定番アルコール完全ナビ
・ノンアル派&子連れも安心!バスクのソフトドリンクガイド(近日公開)
・ピンチョスだけじゃない!定番バルフードの楽しみ方(近日公開)
スペインやバスクの「バル」は、カフェと居酒屋の中間のような存在。朝食にコーヒーを飲んだり、昼前にピンチョスや小皿料理と軽く一杯。夜にはお酒を中心に楽しむことができます。場所によっては、軽いランチやディナーをとることも。
バスク地方ではバル文化が盛んでいたるところにバルがあり、さまざまな店をはしごする習慣があります。
しかし、観光客にはそんなバル文化は分かりづらいもの。別の記事では、バルの注文の仕方や支払い方法、詳しい営業時間を紹介しています。気になる方はそちらをチェックしてみてください。
ゲタリアのバル巡り、狙うべきは午前中〜昼前!

バルは基本的に朝から夜まで営業していますが、ピンチョスを最も楽しめる時間帯は9:30〜13:30頃。スペインのランチタイム(14時~)前のこの時間帯こそが、地元の人々にとっての“バルのゴールデンタイム”です。
【なぜ午前中〜昼前がベストなのか?】
- ショーケースには出来たてのピンチョスが次々と並び、種類も豊富。
- 地元の人が朝食や昼前の一杯を楽しみに集まり、バルは最もにぎわう時間帯。
- 活気のある店内で、本場バスクのバル文化をリアルに体験できます。
【逆に夜はどうか?】

夜になると、バルではお酒が中心になり、ピンチョスの数は昼に比べてかなり少なめに。観光客向けにピンチョスを置いている店もありますが、昼間の残り物が並ぶケースも多く、乾燥していたり、選べる種類も限られがちです。
【家族連れ・一人旅、観光の合間でも楽しめる】
昼間のゲタリアのバルはにぎやかでカジュアルな雰囲気。子連れや一人旅でも気兼ねなく入れるのが魅力です。ゲタリアのほとんどのバルにはテーブル席があり、よほど混雑している時間でなければ座ることができます。
観光の合間に立ち寄って、ピンチョスとチャコリを楽しむにもぴったりの時間帯。
モデルルート:チャコリ片手に3軒はしご
ゲタリアのバルはほとんどが中央通り周辺にあり、モデルルートの全てのバルは以下の地図で見られます(表示されない方はこちらのリンクをクリック)。
ここではゲタリアで実際に筆者が体験した「バル巡りモデルルート」を、時間ごとに紹介します。各店の詳しい特徴は次章で紹介していますが、ここではタイムライン形式でテンポよく、その流れをイメージしてもらえたらと思います。
昼の部:ピンチョスをしっかり味わう3軒
12:00|【Politena】
- 注文:チャコリ+イカのフリット+クリームコロッケ
- コメント:地元客にも観光客にも人気の店。早めの来店が必須。イカのフリットがサクサクで美味!
🕜 12:30|【Itxaspe】
- 注文:チャコリ+トルティーリャ+揚げ物系ピンチョス
- コメント:ボリューム感◎。ふわふわのトルティーリャとアツアツの揚げ物が軽いランチ替わりに。
🕑 13:00|【Giroa】
- 注文:食前酒+モスト(ぶどうジュース)+オリジナルピンチョス3種
- コメント:地元客率が高い穴場的存在。アンチョビと魚介類のピンチョスが印象的。
夕方の部:ゆったり飲み直し
🕔 17:00|【Amona Maria】
- 注文:チャコリ+ガリシア風タコのピンチョス+ヒルダ
- コメント:港を望むテラス席が最高の特等席。昼間の喧騒から一転、穏やかな時間を楽しめる。
ゲタリアの厳選バル紹介
Politena(ポリテナ)




観光客にも人気、品揃え豊富で洗練されたバル
場所・雰囲気
バス停近くの中央通り沿い。青と白を基調にした明るい店内は清潔感があり、ピンチョスのショーケースも美しく整っています。スタッフの対応はスピーディで、観光客慣れしていて安心。
おすすめメニュー
イカのフリットは看板料理。イカ墨ソースとレモンが添えられたひと皿で、揚げ加減も上品。ピンチョスの種類も多く、小皿料理やランチメニュー(要予約)も充実。
価格感
イカのフリットは約15ユーロとやや高めですが、料理のクオリティを考えると納得感あり。
利用のコツ
12時前にはテラス席が満席になるため、早めの訪問がおすすめ。店内奥のテーブル席はランチタイムまで利用可能で、子連れでも入りやすい雰囲気です。
Itxaspe(イチャスペ)




地元民でにぎわう、コスパ最強のバル
場所・雰囲気
Politenaのすぐ前にあるバル。活気があり、地元の常連や家族連れでにぎわっています。テーブル席もあり。サービスは素早くフレンドリー。
おすすめメニュー
スペインやバスクの定番ピンチョス、トルティーリャ(スパニッシュオムレツ)が大人気。玉ねぎ入りがたっぷりで甘みがあり、優しい味わい。タラ入りのバージョンも。揚げ物系ピンチョスやミニサンドイッチ系もボリュームあり。
価格感
チャコリ+ピンチョス4種で14.8ユーロと圧倒的なコスパ。
利用のコツ
混雑時は立ち飲み必至ですが、それもこの店の魅力。軽いランチ代わりに、にぎやかな雰囲気を楽しむのに最適です。
Giroa(ギロア)




創作系ピンチョスが光る、地元密着型バル
場所・雰囲気
中央通りの港寄り。観光客よりも地元の人の姿が目立つ落ち着いたバルで、カウンターやテーブル席がありゆっくり過ごせます。
おすすめメニュー
ショーケースには創作ピンチョスがずらり。各ピンチョスに名前と価格がイラスト入りで記され、選びやすいのも魅力。
注文したのは:
- 魚介フリットのキムチソース添え
- アンチョビとマヨサラダのピンチョス
- 生ハムとキノコのピンチョス
個性的ながら優しい味わいで、3件目ながらあっという間にお腹の中へ。
価格感
チャコリ、マリアニート(赤ベルモットベースのカクテル)、モスト(ぶどうジュース)2杯とピンチョス3種でまさかの15.4ユーロ。レシートはもらえなかったのですが、非常にリーズナブルで驚きました。
利用のコツ
テーブル席が多いので、ゆっくり過ごしたいときにおすすめ。ランチプレートやバゲットサンドなどの軽食も豊富で、軽めの食事にも便利。
Amona Maria(アモナ・マリア)




港の絶景テラスで、伝統料理とこだわりチャコリを楽しむ
場所・雰囲気
中央通りから港へ抜ける道沿い、右手に現れるガラス張りのモダンな店舗。特にテラス席は、ゲタリア港と潮風を感じられる絶好のロケーションで、昼下がりの1杯にぴったり。
店舗内には、バスク産のアンチョビやチーズ、チャコリなど、厳選されたグルメ土産のショップも併設されており、食と買い物を同時に楽しめます。
おすすめメニュー
ピンチョスは地元食材を活かした丁寧なつくり。
- ヒルダ(アンチョビ、ピクルス、オリーブ、唐辛子との串刺し)
- ガリシア風タコのピンチョス(赤唐辛子のパウダー)
ピンチョスのほかに、「タラのピルピルソース」や「ホタルイカのイカ墨煮込み」などバスクの伝統料理なども豊富で、軽いランチやディナーにも使えます。
価格感
チャコリは3種から選べ、1杯1.9~2.30ユーロでした。港近くの立地のため全体的に若干高めの価格帯ですが、雰囲気・内容を考慮すれば十分に納得できるレベル。
利用のコツ
天気の良い日には、ぜひテラス席を確保したいところ。14時前後のアイドルタイムは比較的すいており、ゆっくり過ごせます。お土産購入も兼ねて立ち寄る価値のある一軒です。
バル巡り初心者でも安心!失敗しないための3つのポイント

ピンチョスを楽しむなら「午前中」がベスト
9:30〜13:30頃がベストタイム。作りたてが並び、店もにぎやか。夜は種類が少なく、乾いたピンチョスが出てくることも。
※観光地では、一日を通してピンチョスや小皿料理を提供している店もあります。
バルの営業時間や混雑のピークを詳しく知りたい方は、こちらにまとめていますので、チェックしてみてください。
食べすぎ注意!少しずつ何軒も
1〜2品ずつをハシゴするのがバスク流。最初の店で満腹にならないように注意。
レストランでの食事前は軽めに
揚げ物やトルティーリャは意外と腹にたまる。レストラン予約がある日は特に控えめに。
まとめ|ゲタリアのバルは“地元感”と“手軽さ”が魅力

ゲタリアは、レストランだけでなくバル巡りにもぴったりの町です。その理由は、次の3つ。
- 価格が良心的
ピンチョスは1つ2〜3ユーロ、チャコリも2〜2.5ユーロと手頃で、観光地価格とは思えないコスパ。 - 混雑が少なく、居心地がいい
サンセバスチャンほどの混雑はなく、一人旅や家族連れでも気軽に立ち寄れる空気感があります。 - コンパクトで巡りやすい
バルは徒歩圏内に集まっており、食事や観光の合間にもサクッと寄れるのがうれしいポイント。
地元の人に混ざってカウンターで一杯。そんな気軽な体験も、ゲタリアの旅の思い出になります。
レストランだけでなく、ぜひ“昼バル”の魅力も味わってみてください。
▼ゲタリアの観光スポットやレストランもチェックしたい方は ゲタリア観光&グルメプラン完全ガイド
▼定番メニューやおすすめドリンクは別記事で詳しく紹介しています。気になる方はそちらもチェック。
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