【チャコリの聖地ゲタリア】ガインツァワイナリーを見学|バスク地方おすすめツアー体験記

スペイン北部のバスク地方、美食の都サン・セバスチャンから車で30分、バスで1時間。
海と山に抱かれた小さな港町ゲタリアは、魚介料理やアンチョビで有名ですが、ここで忘れてはいけないのが地元の白ワイン「チャコリ」です。

今回は、ゲタリアの老舗ワイナリー**「ガインツァ(Gaintza)」**を訪れたました!

この記事では、ガインツァワイナリー見学ツアーの流れ、チャコリの魅力、予約方法まで徹底解説します。
バスク旅行で「ワイナリーに行ってみたい」 「よりディープな文化体験がしたい」と思っている方は必見です!

訪問の流れ

  • ツアー概要とブドウ畑の散策
  • 醸造所でのタンク試飲
  • 瓶詰所の舞台裏見学
  • レストランでのチャコリとバスク料理のマリアージュ体験

これらを約90分で巡ります。時間はあっという間に過ぎていきました!


ツアー概要

  • 所要時間:約90分
  • 料金:24ユーロ
  • 言語:英語またはスペイン語(事前選択)
  • 内容:畑・醸造所・瓶詰所見学 + チャコリとピンチョスのペアリング体験
  • 事前予約必須(公式サイトから簡単に申込み可)

天候にも恵まれ、ガイドさんの情熱的な説明を聞きながら、バスクの自然とチャコリの世界に浸りました。


ガインツァ ― 歴史ある家族ワイナリー

ゲタリアのチャコリワイナリーガインツァの入り口

1923年創業のガインツァの歴史は、他の多くのチャコリのワイナリーと同様、もともと家族用のワイン造りから始まりました。
当時のチャコリは酸味が強く「まずいワイン」として知られ、一時は消滅の危機にも瀕しましたが、生産者の情熱により復興され、品質が向上。

その後は伝統を守りつつ、最新の技術を取り入れ、現在の高品質なチャコリを生み出しています。

ガイドさんいわく「若いころ飲んだチャコリはひどかった」とのこと(笑)。その率直なコメントも印象的でした。

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ブドウ畑を散策|ゲタリアの絶景とバスクの自然

海沿いの斜面のブドウ畑とそこから見える港町
丘の上にあるガインツァワイナリーからの眺め。棚仕立てのブドウ畑が丘一面に広がる。

ガインツァの畑は丘の上に広がり、その向こうには、碧い大西洋とゲタリアの町が見渡せる絶景が広がります。
潮風を受けながら、独自の土壌と気候で育ったブドウが、チャコリ独特のミネラル感を生み出しているのです。

ワイナリー見学では、自然に配慮したブドウ栽培や、棚仕立てと垣根仕立て、それぞれの育成方法の違いも解説してくれます。

ここで育てられている主な品種はオンダラビ・スリ。とても繊細なブドウで、剪定作業もすべて手作業。隣に植えられたシャルドネとの違いを実際に体験できました。

オンダラビ・スリの花と葉のアップ
オンダラビ・スリの花 (ブドウの花は小さなつぶが房状になっている部分) はシャルドネと比べ小さく、葉も柔らか。
シャルドネの花と葉のアップ
シャルドネ。花は大きく葉はしっかりしている。
垣根仕立てのブドウ畑
右がオンダリラビ・スリ、左がシャルドネ。同じ時期に植えられたが、シャルドネのほうが葉が青々と茂り、大きい。


サンティアゴ巡礼や漁業と、チャコリの意外なつながり

チャコリに使われるオンダラビ・スリ・ゼラティ(プティ・コルビュー) は、かつてサンティアゴ巡礼路にあるゲタリアに、フランスからの巡礼者たちが持ち込んだ品種だそう。
また、昔は港の漁師たちがワイナリーにチャコリを買いにくると、買いたたかれないように、ブドウの収穫量は決して知らせなかったのだとか。
ときおりはさまれる歴史にまつわる面白いお話も、現地訪問ならではの楽しみです。

醸造所見学 ― 発酵中のチャコリを試飲!

ワイナリーの醸造所に並ぶステンレスタンク
ずらりと並ぶステンレスタンク。各樽には番号がふられ、ワインのラベルにも樽番号が記載されている。

続いてステンレスタンクが並ぶ醸造所へ。
ここで、発酵途中のチャコリを特別に試飲させてもらいました!

注いだ瞬間、青リンゴや柑橘類のフレッシュな香りが立ち上ります。
バスクのシードル文化と同様、樽(タンク)から勢いよく注ぎ、泡立ちと香りを楽しみます。

ステンレスタンクの並ぶ醸造所をバックにワインの入ったグラスのアップ
泡がはじける、フレッシュな樽出しチャコリ。

ワインもシードルと同じく樽ごとに味が異なります。バスクには「ソシエダ(美食倶楽部)」という文化があり、かつては仲間同士で気に入ったワイン樽を購入して楽しんでいたそう。食を通じて人がつながる、バスクらしい風習です。

瓶詰の舞台裏とバスク流チャコリ製法の秘密

ゲタリアのチャコリは、低温での発酵を終えると、0度に保たれたのち瓶詰めされます。これにより、ゲタリアのチャコリ特有の微発泡が生まれます。
一方、ビスカイア地方のチャコリは室温で瓶詰めされるため、泡がほとんどないそうです。

🧐ビスカイアとゲタリアのチャコリの違いとは

壁上に並ぶ歴代のワイナリーのボトル
棚に並ぶ歴代のガインツァのチャコリ。

ほかにも、輸出向けのラベル表記やスクリューキャップ対応など、知られざる苦労話も聞けました。

ガインツァの食堂でチャコリとバスク料理ペアリング体験

食堂のカウンターにワイングラスが吊り下げられ女性が準備をしている
食堂のキッチンスペースには、ブドウを収穫する前オーナーのパネルが飾られている。

最後はワイナリー内のホテルの食堂にて、マリアージュ体験。
バスク式の長テーブルで相席し、隣の人との会話を楽しむ現地の食文化にも触れられます。

飲み比べたワインと料理のペアリング:

  • スタンダード白「ガインツァ」
     → 爽やかな酸味と微発泡。絶品アンチョビとの組み合わせが最高!
  • 上級白「アイタコ」
     → アプリコット、ハチミツ、イースト香など、より複雑な香りと味わい。マグロのオイル漬けと。
  • ロゼ
     → いちごなどの赤いベリー系の香り、ボディ。ピンクカカオのトゥロンと驚きの相性!ワイナリー内のショップで、プレゼント用にロゼとトゥロンを購入しました。
テーブルにワイングラスと小皿におつまみが並んでいる
スタンダード白「ガインツァ」
テーブルにワイングラスとボトル、つまみの皿が並んでいる
上級白「アイタコ」
テーブルにロゼワインのグラスとボトル、おつまみの小皿が並ぶ
ロゼ


また、バスク流の高い位置からグラスに注ぐパフォーマンスも体験。ワインに空気を含ませることで、香りと泡立ちが引き立ちます。

瓶口に特殊なキャップがついたワインボトル二本がテーブルに並んでいる
このキャップがあると、注ぎやすい!


【まとめ】ゲタリアでチャコリを楽しむならぜひワイナリーへ!

ガインツァで過ごした90分は、ワインラバーにとって夢のような時間でした。

ガインツァワイナリーは、

  • 家族経営ならではの温かみ
  • チャコリの伝統と革新
  • バスク地方の絶景と食文化

すべてを一度に体験できる、最高のスポットでした!

バスクを訪れるなら、ぜひワイナリー訪問を旅のプランに加えてみてください。

ガインツァでは事前予約で、英語やスペイン語のツアーも対応しています。ワインと食、そして人との出会いが、きっと忘れられない旅の思い出になるはずです。

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