●ゲタリア旅行でランチ or ディナーに失敗したくない
●ゲタリアのミシュラン店以外のおすすめや穴場を知りたい
●実際の雰囲気や在住者の意見が聞きたい
スペイン北部のバスク地方、サンセバスチャンからほど近く美食の町としても人気のゲタリア。しかし、旅の満足度を左右するレストラン選びに関しては、有名店をのぞき情報が少なく「結局どれがおすすめなの?」と迷ってしまう方が多いです。
わたしはバスクに10年以上在住。日本ではワインアドバイザーとして働き、バスクの代表的ワイン、チャコリの生産地であるゲタリアを頻繁に訪れています。
そこでこの記事では、初めてでもハズレなく「ゲタリアの美食」を堪能できる美食巡りプランを紹介します。
この記事を読めば、ゲタリアで質の高い現地グルメを楽しめるスポットと巡り方がわかります。わたしが現地に住んで実際に訪れた際の経験や情報を凝縮しました。せっかくのゲタリア旅行で本当に美味しものを楽しみたい!という方は最後まで読んでください。
【美食の町ゲタリアの魅力】おすすめグルメ&街巡りプラン

バスク地方を旅するなら、多くの人がまず目指すのは美食の都サンセバスチャン。 けれどそこからバスで約1時間という“ちょっと先”に、世界中の食通たちが訪れるちいさな漁師町ゲタリアがあります。
名物の炭火焼をはじめ、港で水揚げされる新鮮な魚介類を生かした料理は世界中の食通を魅了。また、ゲタリアはバスクワインの代表格「チャコリ」の産地でもあり、キリッと冷えた微発泡の白ワインからは潮の香りがふわりと立ち上ります。
ゲタリアの魅力は食だけではありません。海と山に囲まれた町では、山の斜面に広がるブドウ畑や美しいビーチ、カラフルな漁船が停まる港など、絵葉書のような景色が目を楽しませてくれます。

ゲタリア各所にある歴史スポット、有名ファッションブランド「バレンシアガ」の美術館とともに、絶景をのぞむ海沿いの遊歩道も旅の忘れられない思い出になるでしょう。
サンセバスチャンやビルバオからのアクセスはこちら。
チャコリ、アンチョビ、魚介類の炭火焼一一ゲタリアで必ず食べたい名物グルメ

●チャコリ:白が主流でほんのり微発泡なワイン。フレッシュで爽やかな味わいが特徴。

●アンチョビ:現地では「アンチョア(anchoa)」と呼ばれ、カンタブリア海の高品質なカタクチイワシを伝統的な手作業で仕込みます。普通のアンチョビのような塩辛さはなく、繊細で魚の旨味が口いっぱいに広がります。

●魚介類の炭火焼:ゲタリアの名物料理。レストラン外の焼き場で専用の焼き網に挟み、絶妙な火加減でじっくりと焼き上げます。
【ゲタリア美食巡りプラン】 チャコリとバル巡り、炭火焼レストラン、世界一のジェラート

チャコリ片手に魚介類や名物のアンチョビを手軽に堪能できるバル巡り。バス停からすぐのゲタリアのメイン通りで楽しむことができます。バスク流にバルをハシゴしながら現地の人と交流するのも旅の醍醐味。
▶バル巡りの詳しいプランとおすすめ店はこちらの記事で紹介しています。
→ ゲタリアで楽しむ!ピンチョス&バル巡り実録ガイド
ほどよく胃があたたまったら、レストランの軒先で薪のはぜる音とともに黄金色に焼かれるイシビラメの炭火焼でランチ。皮はパリッと香ばしく身はジューシーな魚を、爽やかな地元産チャコリがさらに美味しくしてくれます。


食後はゲタリアの隠れた名物「世界一のジェラート」を楽しみながら海沿いを散歩したり、おだやかなビーチでのんびりと過ごすことができます。お土産には、気に入ったチャコリやアンチョビの缶詰類をスーツケースに詰め、思い出とともに持ち帰るのも◎。
漁師町ならではの美食とワイン、そしてそれを育む人と風土。それがゲタリアの魅力です。
【絶品!海の幸とチャコリ】ゲタリアの炭火焼レストランでランチ体験

ゲタリアに来たら絶対食べたいのが、魚介の炭火焼。ゲタリアの町を歩いていると、昼頃には通りのあちこちから白い煙が立ちのぼり、香ばしい香りが鼻をくすぐります。
魚を丸ごと炭火で焼くのが漁師町ゲタリアの伝統。薪の火でじっくりと焼かれた白身魚は、皮はパリッと香ばしく、身はジューシー。 普段食べなれた魚でもこの方法で調理されると驚くほど豊かな旨味が広がります。
ゲタリアで炭火焼を食べるならここ!海が見える絶景レストランも

ここでは、実際に現地在住の筆者が訪れた中から、「味わい、ロケーション、入りやすさ」の点で厳選したレストランを紹介します。超有名店である「エルカノ」や「カイア・カイぺ」は他サイトでも情報が豊富で、かつ旅先で気軽に入るタイプのレストランではないので、この記事では取り上げません。
※ブログを始めたのは最近なので、写真つきで紹介できないお店もありますが、すべて実際に足を運んでいます。再訪次第、写真を追加していく予定です。



「星付きレストラン並み」とも言われる質の高い魚介の炭火焼が味わえます。炭火焼以外のメニューも豊富でどれを食べてもハズレなし。ゲタリアの中央通りにある観光名所、サン・サルバドール教会のすぐ横で、観光の合間に立ち寄れます。店内の古い地図や港町をモチーフにした装飾も一見の価値あり。
▶Tripadvisorで写真や口コミを見る
●Mayflower




せっかくゲタリアに来たのだから美味しい魚介類を、海を眺めながら食べたい一一そんな願いが叶うレストラン。テラス席は港を上から見渡せる絶好のロケーション。チャコリのグラス片手に潮風を感じながら、炭火焼をはじめ地元の味を体感できます。
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●Astillero

港の端にありすこし中心部から離れていますが、地元客も多く通う老舗レストラン。目の前には港の景色が広がります。高級店と比べると質の高い魚介類をリーズナブルに食べられる場所のひとつです。
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ゲタリアの炭火焼レストランで注文したいおすすめメニュー
ゲタリアの炭火焼レストランでおすすめのメニューを紹介します。
●ココチャス(kokotxas) タラやメルルーサの喉元の柔らかい肉。独特の食感がくせになります。ピルピル(pil pil オリーブオイルとニンニクのソース)や炭火焼(a la brasa)で。

●白身魚の炭火焼(a la brasa):有名なのはイシビラメ(rodaballo)ですが、現地ではベスーゴ(besugo 鯛)も人気があります。アンコウ(rape)、スズキ(lubina)もおすすめ。
※どれも個体によって大きさが違い、日本人の方は量が多いと感じることも多いです。心配ならどれくらいのボリュームかお店の人に聞いてみましょう。
地元産のチャコリと合わせれば、軽やかな酸味と微発泡が魚の脂をすっと洗い流し、次のひと口をさらに美味しくしてくれます。
▶ゲタリアのグルメといえば炭火焼のレストランが有名ですが、地元感を味わいたいならバル巡りもおすすめ。
→ 地元民に愛される、ゲタリアのバル巡りガイドはこちら
ランチの後のゲタリア町歩き 世界一のジェラートと絶景散歩、有名スポット
バル巡りとレストランで心もお腹も満たされたら、ゲタリアの町を歩いてみましょう。
世界一のジェラートを片手に、ゲタリアのビーチへ


あまり知られていませんが、ゲタリアにはジェラート世界大会で1位に輝いた名店「DONA DONI IZOZKIAK」があります。訪れたら必ず立ち寄りたい場所のひとつ。中央通りのバス停側入り口付近にあります。
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こだわりの素材と製法で作られたジェラートはどれも絶品ですが、コンクールで優勝した「赤トウガラシとマンゴー (Mango Ezpeleta)」はここゲタリアでしか食べられない一品。フレッシュなマンゴーの甘味とスパイスの組み合わせが絶妙です。

海に来るとジェラートを食べるのがバスク習慣。地元の人にならって、アイス片手にビーチを歩いてみるのもいいですね。

【海沿いの絶景】サラウツ一ゲタリア間のサンティアゴ巡礼路を歩く

時間があれば、隣町のサラウツ(Zarautz)までの海沿いの遊歩道(片道約4.7km)を歩いてみるのもおすすめ。サンティアゴ巡礼路の一部で、海とチャコリのブドウ畑が広がる絶景の道です。帰りは、疲れていたらサラウツ一ゲタリア間のバス(約30分おきに運行)も利用できます。

ネズミの形をした小半島「エル・ラトン」をハイキング

ゲタリアのシンボル、ねずみの形に見えるからその名がついた半島「エル・ラトン」。町とは桟橋で繋がっていて歩いて行くことができます。山頂へは片道2km程度で、頂上からは一面海と山が広がります。

サン・サルバドール教会、エルカノの銅像などの歴史スポット巡り、バレンシアガ美術館


ゲタリアの中央通りやその周辺にある、15世紀に建てられたゴシック様式のサン・サルバドール教会や、船で初めて世界一周を成し遂げたエルカノの銅像などの歴史スポットがあります。
ファッションが好きな方には、ゲタリア出身で世界的なファッションブランド「バレンシアガ」の創設者クリストバル・バレンシアガの美術館へ足をのばしてみるのもおすすめです。
【ゲタリア土産】MaisorとSalanorで見つける 絶品アンチョア、缶詰グルメ、チャコリ
ゲタリアグルメの素晴らしいところは、旅が終わっても自宅でもう一度味わえること。ワインやアンチョビなどの缶詰グルメは日本へ持ち帰ることができます。ここでは、わたしがゲタリアへ行くと必ず訪れるおすすめの店を紹介します。
▶地図を見る
●Maisor(マイソール):ゲタリア港の奥にあるアンチョビ加工の老舗工房。工房見学もできます(要予約)。一押しは一匹づつ手作業で加工される、旨味たっぷりの繊細なアンチョビ。
また、冷蔵なので日本への持ち帰りは難しいですが、ぜひ現地で試してほしいのが酢漬けのカタクチイワシ。まるでしめ鯖のような味わいで、ほどよい酸味と旨みが感じられ日本人の味覚にもなじみます。地元産チャコリも一通りそろっていますよ。




●Salanort(サラノルト):バルが立ち並ぶ中央通りにあります。魚介類の加工食品だけでなく、バスク各地のチーズやワイン、生ハムやサラミ、香辛料、チョコレートなど幅広い品ぞろえ。眺めるだけでもわくわくします。




アンチョビやツナなどの缶詰類はバゲットにのせれば即席ピンチョスになります。よく冷やしたチャコリとともに自宅でバル気分を味わうのも楽しいですよ。
【ゲタリアへのアクセス】車がない場合サンセバスチャンからバスがおすすめ
サンセバスチャンからバスで行く場合
車がない場合、サンセバスチャン→ゲタリアへは路線バス(Lurraldebus社 UK10番)でアクセスできます。バスは30分〜1時間に1本程度運行しており、日帰り旅行に便利。
●バス(Lurraldebus社)
• 路線名:UK10(Donostia – Zumaia)
• 所要時間:1時間前後
• 発着場所:
◦ 出発:Askatasunaren Etorbidea / Avda. de la Libertad, 34 (コンチャ海岸から近い中心部)
◦ 到着:Getaria Frontoia
▶最新の時刻表・運行情報は Lurraldebus公式サイト で確認できます。
※ビルバオから直接ゲタリアに行く方法は車だけです。バスや電車を利用する場合は一度サンセバスチャンに行き、そこからゲタリアに行きます。
車で行く場合
車だと、サンセバスチャンからは約30分で到着します。車を停めるのはゲタリアの港側がおすすめ。

ビルバオからは約1時間で到着します。
【ゲタリアの美食&観光スポットまるわかり】オリジナルマップ
この記事で紹介したスポットをオリジナルマップにまとめました。ゲタリアの旅にお役立てください。
まとめ
この記事では、バスク地方の旅におすすめのゲタリアの魅力と美食巡りのプランを紹介しました。サンセバスチャンから日帰りで訪問できるゲタリアには、地元の人に交じってのバル巡りや、チャコリ、炭火焼といったバスクの豊かな食文化、人の温かさ、自然の美しさがぎゅっと詰まっています。ゲタリアの町でしかできない体験が、きっとあなたの心に残るはずです。
バスクを旅するなら、ぜひゲタリアへ足を伸ばしてみてくださいね!
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